フェルト・グレイス

ヒロインへと躍進した彼女。小生もトレミークルーの中では一番のお気に入りです。
生まれも育ちもソレスタルビーイングの彼女は、狭い世界の中で幾度とない別離を繰り返しています。
両親を、姉のようなクリスティーナを、想いを寄せたロックオン(ニール)を。
彼女にとって刹那は、実は最も付き合いの長い幼馴染のような相手なんですよね。
ニールへの慕情が瓜二つのライルではなく、むしろその信念を託された刹那へと向いたのは自然な流れであるようにも感じます(実際ライルとは相性が悪いようですし)。
刹那が変わっていったように、フェルトも変わってきたのはTVシリーズを見るとおり。劇場版でクリスを真似た髪形を変えたことは、彼女もまた自立という変化へ至ったことを示しているといえます。
しかし刹那はそれとは比較にならない変化をしてしまった。人類の進化系、イノベイターへと。彼女の慕情は「置いていかれたくない」という恐怖に似たものだったのかもしれません。
異論はあるかと思いますが、決して刹那はフェルトを拒んだわけではありません。彼女個人ではなく、彼女の居る世界そのものを守ることを選んだのです。
ただ傍に居るだけの愛を求めるのなら、彼女は泣いてすがって刹那の出撃を止めたでしょう。それでも一番長い知り合いの彼女は、それが刹那の望みではないことを理解していたはずです。「解り合って」いたのです。
刹那は戦いを止めるために戦場へ向かいました。だからフェルトはスメラギの退艦命令を拒み、戦場という一番刹那に近い場所を選んだのだと思います。
彼が守った世界に生きること。それは決して「別れ」などではない。「ただ想うだけ」で両思いで居られるのですから。
小生の勝手な解釈でありますが、そう信じています。
 
あ、でも刹那とフェルトが不器用そうに手を繋いでる姿とかは見てみたい。
ミーハー的・カプ厨的に。